だれもが苦戦するのが、入浴を拒否される利用者さんへの対応・声掛けだと思います。
特に認知症介護の場合、どうしても『入浴拒否』の問題はどこの介護施設でもよくあります。
女性利用者さんが多い介護施設ならなおさらです。
こんな困ったときにおすすめなのが!
声掛けが上手な介護士さんたちが使っていた『入浴拒否の時に使える!上手な声掛けまとめ!』です。
このブログは、現役介護士である僕JINが、仕事上の悩みや人間関係・利用者対応などの実体験・仕事経験をもとに投稿している個人ブログです。
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Contents
まずは『利用者さんが入浴介助を拒否する理由』を知っておこう!
拒否をされる利用者さんは、なぜ『お風呂に入りたくない!』といって断固拒否するのか?
その理由をちゃんと考えたことありますか?
その人その人でそれぞれの理由があると思うのですが、その殆んどがこのような理由ではないかと思います。
【入浴介助を拒否される8つの理由】
- 単純に入りたくない!
- めんどくさい!
- 大勢に裸を見られたくない!
- はずかしい!
- プライド!
- 理解できていない(認知症の方)
- イヤな記憶やイメージが強く残っている(認知症の方)
- 何をされるかわからない不安(認知症の方)
殆んどの方は、介護士がしっかり利用者さんの気持ちに配慮して、対応マナーを守っていれば問題なく入浴してくれます。
ですが・・・
認知症の方の場合だとそうでない時があります。
【暴力・暴言…】認知症高齢者の方の場合だと・・・
認知症の方の場合、イヤな記憶や、つらい思いをされたイメージが断片的に残っていたりすると、マイナスイメージが先行して激しく拒否されてしまう場合があります。
【認知症の利用者さん激しく入浴拒否する理由】
- 一方的に服を脱がされた等、とてもイヤな記憶が残っている
- 無理やりの介助で痛い思いをしてしまい、そのことが深い心の傷になってしまっている
- 何人かの職員に囲まれて『何かされるの』とものすごく怖い思いをした記憶がある
こういう時に無理やりお風呂介助をしようとすると、利用者さんは激しく介助拒否をされ【暴力・暴言】に至ってしまいます。
認知症の人であっても、その空間(脱衣所・浴室)や、職員の忙しそうなせかせかした表情を見ると断片的に思い出してしまったりすることがあります。

認知症利用者さんが介護拒否をされる一番の理由とは?
認知症の利用者さんが激しく拒否をする一番の理由は・・・
介助する職員を『信頼』できていない!
『ここにいる人なんて、誰も信じられない!』という精神状態になってしまっていると、どんな声掛けをしても絶対に聞き入れてくれません。
これは、大事なことなのでもう一度しっかり考えておきましょう!
不安で疑い深い認知症利用者さんに、
『信頼してもらう為にはどうしたらいいのか!?』

それは・・・
もっとたくさんその利用者さんのことを知って、いっぱいコミュニケーションをとる事だと僕は考えています!!
僕は介護福祉士の仕事は、『コミュニケーションのプロ!』でないといけないと思っています。
とはいえ、僕もいつも上手にできないし、苦手な利用者さんにはうまく声掛けできない時が多いです。
でも、コミュニケーションもとらず、作業感覚で仕事をする介護士は、殆んど介助拒否されてしまっている場面を僕は何度も見てきました。
なので、少しづつでもいいので『自分から積極的にコミュニケーション』を取っていきましょう。
【『信頼関係』を作る声掛け】とは?
⇒例えばですが、目も合わせないで挨拶されたら、あなたはどんな気持ちになりますか?
認知症の方は直感でこういう事をすぐ理解します。
自分がされたら『なんだこいつ!』って思うような態度・声掛けなどの対応をしないことが、利用者さんに少しでも信頼してもらうために必要な第一歩です!
何事も、相手の立場になって考えれば、大体の『人×人』のトラブルは防げるはずです。
仕事ができない男性介護士の特徴と、デキる男性介護士の明確な違いはいったい何か?!
↓

入浴拒否の時に現場で使える!上手な声掛け事例まとめ!
では、入浴介助拒否の時に使える便利な声掛け事例7パターンをご紹介します!
入浴の声掛けの前に行う『まずは信頼してもらう声掛け事例』
まず最初に、入浴介助をするあなたが拒否が強い利用者さんから『信頼』されるために、まずあなたが持つべき意識について知っておきましょう!
声かけする前の大前提として、以下の態度を意識してください!
- 利用者さんと必ず目を合わせる!
- 誠意ある挨拶をする!
- 『安心してもらうんだ!』を強く意識して相手の眼を見る!
今までの経験からして、この3点を意識していないと介助に応じてくれることはまずないです。
『事前に信頼をゲットする声掛け』パターン①
生活歴やご家族の面会時に【ご家族情報】をある程度知っておくといいです。娘さんや息子さんお孫さん、ご主人、奥さまのお名前は知っておいた方がいいです!
『事前に信頼をゲットする声掛け』パターン②
『昔お世話になった』という話はかなり役に立ちます。生活歴や普段の会話の中から、その利用者さんの趣味やお仕事、過去の栄光系の話はとても親近感を覚えてくれます!
入浴前(脱衣時)にする声掛け6つの事例
声かけ例①
『市長』だけではなく、『議員さん』『校長先生』『院長先生』『施設長』『責任者』『うちの社長』など、肩書的に偉い呼称表現を使うと、納得してくれる場合んもあります。
声かけ例②
自分のカラダのために塗るクスリ、処置などを理由に『しょうがないな』と思ってもらう声掛けも、渋々ですが納得してくださることがあります。
声かけ例③
拒否が強い方は『誰もいないお風呂』でマンツーマン(できれば同姓)で対応ができると、入ってもらえる確率が上がります。
その時に、『この人は一生懸命に仕事をしてる…』『この人は私のために頑張ってくれた…』と、感じていただけたらもう大丈夫です。
▼怒りまくって話を聞いてくれない利用者へのベストな対応術(マジで効果あり!)
⇒【介護職】怒り100%の認知症利用者さんが笑顔に変わる自虐ネタ5選!
声掛け例④
職員同士の連携プレーといったら不謹慎に聞こえるかもしれませんが、利用者さんに安心してもらうことを一番に考えてのことであれば、実際の現場では必要な時があります。
浴室の内線と、ケアステ(職員詰所)との間で電話をしてもらい、娘さん(職員)と話をして安心してもらうことで納得してくれる場合もあります。
声掛け例⑤
拒否される理由は、その人その人でいろいろありますが、ここでは『衣類を粗末にされてしまう…』と心配して拒否されていた利用者さんの実際にあった話です。
この声掛けと、衣類を丁寧に扱う態度を見てもらい納得の上、入浴していただきました。
▼『帰りたい!』と何度も訴えかけてくる認知症利用者さんへの声掛け対応声掛けまとめ!
⇒【認知症】帰宅願望&不穏…介護現場で実際に効果があった3つの声かけ例!
声掛け例⑥
社交性のある方であれば、仲の良い利用者さん同士で会話をしながら一緒に浴室に向かってもらうのも一つの工夫です。
ここでは、最初から『入浴』『お風呂』『着替え』というキーワードは敢えて使わず、その時の雰囲気や流れにうまく合わせながら、いろんな声かけや工夫を行っていくといいですね。
トイレ介助の時の拒否や暴言対策時の声掛け事例をまとめた記事です。
⇒【認知症】トイレ介助の拒否がなくなる!具体的な上手な嘘+声掛け例&対策まとめ!
まとめ!入浴介助の時の声掛けで大事な意識!
ここではいろいろな声掛け例をあげて紹介しましたが、本当に大事なのはこの5つ!
- 何よりも『安心』してもらうことを最優先に考える!
- やってあげてる感は絶対NG!
- 拒否する理由は人それぞれ!理由を職員主観(経験則)で勝手に決めつけない!
- 工夫してもダメなら、無理せず時間をおいて再チャレンジ!
- 挨拶(眼を見る)とお礼を忘れずに!
この5つをしっかり意識出来ていれば、大事な【利用者さんとの信頼構築】に繋がっていきます。
たとえ短期記憶障害や見当識障害などの中核症状が強くあったとしても、あなたを【信頼できる人】と感じてもらえれば大丈夫です。
これは、認知症介護だけではなく、職員間やすべての人間関係において大事なことだと僕は思っています。
そうなれば、今よりは入浴してもらえるようになるかもしれませんよ^^
この記事で紹介した声掛け事例や、『認知症介護で超大事なこと5つ』を実践していく為には、介護士一人一人の心に余裕がないと難しいです。
最後まで記事をお読みくださいまして、本当にありがとうございました!!
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