認知症の方への対応

【帰宅願望】介護施設の認知症利用者に効果があった!10の具体的対応事例集!

帰宅願望・不穏対応事例集

 

この記事に書いてある、認知症利用者さんへの『10の帰宅願望対応事例』は、現役介護福祉士の僕JINが勤務する介護施設(特養)で実際に取り組み、結果的に利用者さんが落ち着いてくれたことが多かった対応策を書いています。

 

 

介護福祉士しんたろう
介護福祉士しんたろう
そんなにうまくいくのかなぁ?時間がなくてそんな対応できる余裕なんてないでしょ…

 

そんなことはないです!

 

何度も何度も同じ質問をされて、不安がどんどん増していく認知症利用者さんへの対応は本当に大変です。

でも、この記事に書いてある【ひと工夫】をやってみることで、間違いなく利用者さんに変化があるはずです。一緒に働くフロアの介護士のみんなと実証済みなので確信をもって言えます。

 

頻回な帰宅願望の訴えに困っている介護職員さん!

 

少し長い文章ですが、きっとあなたの現場で役に立てるヒントがあると自負しています。

 

 

このブログは、現役介護士(勤続13年目)である僕JINが、日々の仕事上の悩みである『人間関係・利用者対応』などを、仕事経験・実体験をもとに投稿している個人介護ブログです。

介護職に降りかかる様々なストレスを可能な限り減らしていく】事をテーマに記事を書いています。

 

▼詳しい経歴やプロフィールはこちら!
JINの自己紹介

 

『帰宅願望への対応が超大変…』大変にしているのは私たち介護職だという事を知ろう!

 

 

 

  • 中途半端な見せかけのウソ声掛け対応
  • ワンパターンな表面的な声掛け対応

 

『また来たよ…』もう何回目!?

 

こんな気持ちがあると、僕たち介護職のけわしい表情が余計に利用者さんを不安にさせてしまい【悪循環】になってしまいます・

この気持ちだけで声かけ対応してると、人生のベテランである利用者さん方は僕たち介護職員の本音をいともカンタンに見抜いてどんどん興奮がエスカレートして悪循環になってしまう事ばかり…。

 

大事なのは【安心してもらうための声掛け・対応】なのですが、じっくり利用者さんの眼を見て話を聞いてあげられないのが介護職の日々の現状ですよね。

 

利用者さんから同じ質問を何度もされ、こっちも同じ声掛けや対応を何度もしてるとどうしてもストレスMAXになってしまいます…。

 

だからこそ!

 

こっちも真剣に工夫した上で対応すれば、利用者さんは安心して【同じことを何度も聞いてくる】こと(不安)がなくなり、少しでも不穏⇒穏やかな表情になってくれます。

では、僕が働いている介護施設(特養認知症棟)で、実際にあまり時間を掛けずに認知症利用者さんに穏やかになってもらえた対応例を紹介します!

 

認知症介護の現場で効果があった!『介助拒否・帰宅願望・不穏』時に安心してもらえた10の対応・声掛け具体例

 

 

この記事では【声掛け】がメインではなく【認知症の方(特にショートステイ利用者)への対応】をメインテーマにしています。

▼実際に落ち着いていただける率が高い認知症の方への具体的な声掛け事例はこちらの記事を参考にしてから、こちらの記事に戻ってきていただけるとうれしいです。

【認知症】帰宅願望&不穏…介護現場で実際に効果があった3つの声かけ例!

 

では、前置きはここまでにして実際にウチの特養(認知症棟)で安心してもらえた効果がみられた対応事例10パターンを紹介します。

 

効果あり!帰宅願望時対応10パターン

  1. お線香を焚く(ブルースト効果を狙う)
  2. 『お手紙・一筆書き』を書いて不穏な利用者さんにお渡しする
  3. ご家族からの手紙を見てもらう。
  4. 家族との電話での会話をする
  5. 傾聴してくれるやさしい利用者さんの隣に座ってもらう!
  6. めちゃめちゃ大袈裟なほど、うなずきジャスチャーを入れながら共感する!
  7. 白衣(医者)を着て医者になりきる
  8. ご家族に面会に来てもらう
  9. フロア職員みんなの対応(声掛け)を統一する
  10. 【重要】不安な気持ちを理解した上で相手の眼を見る⇒手をそっと握る

 

では一つひとつ、効果が高かった理由やおすすめする根拠を説明していきます。

 

①お線香を焚く(プルースト効果を狙う)

 

お香野香りプルースト効果

 

『においの効果』は想像以上に大きいです。

僕も生まれ育った土地での『田んぼの稲の香り』や『おばあちゃん家のお線香のにおい』などを、ふとどこかで嗅ぐと一気にその時の情景や思い出が頭の中で浮かび上がることがあります…。

 

高齢者 懐かしい風景想い出

 

きっと、自分が子供の頃やふるさとの情景などが想い出され、なつかしい香りによって『心』が落ち着きます。

 

それがプルースト効果です。

 

▼日本医師会のHPでは、以下のようにプルースト効果について説明されています。

人間の嗅覚は不思議である。においが妙に昔の記憶と繋(つな)がるのは良くあることだ。
特定のにおいが、それに結びつく記憶や感情を呼び起こす現象は、プルースト効果と名づけられている。
認知症の方に過去の想い出と結びついた香りを嗅がせると、それまでは思い出せなかった家族のことがよみがえってきた、という報告事例もある。

出典:日本医師会『においと記憶』より一部抜粋

 

数十年前の昔はどの家にも仏壇が置いてあり、お線香を焚いていました。

お線香のにおいはお年寄りに人たちにとって『懐かしい香り』であることは間違いないと思います。

 

【帰宅願望・不穏】に実際に効果があった『お線香』の香り

 

実際に帰宅願望などの症状がおこりやすい15時以降の食堂で【お線香】を焚いてみたら、いつも『出口はどこですか?!』と聞いてくる利用者Aさんが、ずっと他の利用者さんと談笑しながら夕食まで落ち着いていたのです!

 

すべての利用者さんに効果があるとは思いませんが『やってみる価値』はあると思います。

利用者さんが落ち着いてくれる効果は大きいはずです。

 

②『お手紙・一筆書き』を書いて不穏な利用者さんにお渡しする!

 

認知症 手紙の効果

 

利用者さんにもよりますが、文字は認知症がある程度進んでいても読める方が多いです。

実際に、フロア内を常に歩き回り出口を探して他の利用者さんのお部屋に入ってしまい『他の利用者さんを起こしてしまう』利用者さんにこの手紙を書いたところ、何度もこの手紙を見た上で『寝るモード』になってくれました。

 

▼『夜寝ない認知症利用者』さんに介護士が書いた一筆の手紙の具体的内容

 

○○ ○○子様へ

今日はもう夜遅いのでお部屋(居室番号を書く)お休みください。ご家族(娘さんの名前などを記載)の方も○○さんが今日こちら(旅館・ホテル・病院など)に泊まっている事を知っていますので安心してください。

明日の朝いちばんでご自宅へお送りしますので大丈夫です。

館長(施設長などの責任者が理想)

 

▼手紙を書く上で意識する5つのポイントがあります。

  1. フルネームで書く
  2. ご家族のお名前を書く
  3. ご家族が〇〇〇子さんがここにいる事を知っていることをお伝えする
  4. できるだけ立場が上の人(施設長・館長)などが書いたことにする
  5. その利用者さんが安心できる要素を書く

 

大事なのは⑤の『その利用者さんが安心できる要素を書く』という事です。

 

心配事は何なのか?

 

認知症利用者 不穏

 

何度も同じことを訴えられたら、いくら忙しくて傾聴モードになれない介護職員でも『○○さんは今○○が心配なんだな…』と心配事がわかるはずです。

 

▼心配事を理解出来たら、このような内容を具体的に書くといいです。

その心配事を解決=安心に至るような文言を書く。

 

○○さんはこういう話をすれば『安心して不安が消えるかもしれない?』という意識をもって日中のちょっとした会話時に覚えておくと手紙に書くネタがすぐ思いつきます。

 

慣れれば手紙は1分で書けます!

そのたった1分で不穏な利用者さんが寝てくれたり、落ち着いてくれたりします。

 

A4のコピー用紙にササっと書けますので、ぜひいろいろ考えながら試してみてください。

 

 

 

 

③ご家族からの手紙を見てもらう。

 

この対応はかなりの効果があります。

 

▼実際に施設内で過ごしている利用者さんが抱いている【大きな不安6つ】です。

  1. なんで自分はこんな知らない場所にいるんだろう?
  2. ここはどこ?
  3. 周りは知らない人ばかり・・・
  4. 何しに自分はここにきてるの?
  5. 子供たちはどうしてる?
  6. 子供たちは私がここにいる事を知ってるのかしら?

 

認知症利用者の不安

 

今までの経験からして『利用者さんが施設内で感じている不安』はこういう気持ちから生まれていると思っています。

施設ケアマネや相談員などに協力してもらったり、面会時にご様子を報告した上で【手紙を書いてもらう】ようにお願いしてもいいと思います。

 

その際に大切なのが…

先ほどの【施設介護利用者が抱く6つの不安】に対して不安を取り除くための文言(理由)を記入してもらうこと!

 

その為には【利用者さんの様子や今抱えている問題】を上手にご家族に伝える必要があります。

こういったご家族とのコミュニケーションは、普段からの良い信頼関係作りになりますし、転倒や大けがなど大きな問題が起きたときに『なんで転んだんですか!?』などの先入観を持たれず、普段から行っている対応を【理解】してもらえるをいい機会になります。

 

利用者によって色々なパターンや工夫が必要ですが、『家族の力を借りて【安心】してもらう事が大きな目的なんだ』という事を考えて行動すれば大丈夫です!

 

④家族との電話会話

 

 

 

 

③と目的や内容はほぼ同じですが、実際に『家族の声を聴く』ことで大きな安心につながることがあります。

ですが、極度の短期記憶障害がある方の場合は、やはり③の『ご家族からの手紙』の方が効果は大きいです。

タブレットやICレコーダーなどに、家族の音声を録音したりするのも一つの工夫なので試してみてもいいかもしれません!

 

⑤傾聴してくれるやさしい利用者さんの隣に座ってもらう!

 

認知症高齢者談笑

 

施設にはいろんな利用者さんがいますが、『人の話をいつも優しく聞いてくれる利用者さん』が中にはいます。

そういった利用者さんが座る席の隣や対面席に座ってもらうと、だれかが話を聴いてくれているという安心感で帰宅願望や不穏状態が落ち着いてくれます。

もちろん職員がしっかり聞けるのが一番なのですが、やる事がたくさんあっていつも人員不足な現場だと難しいですよね…。

 

そういった利用者さんがいない場合は、ぜひこの記事に書いてある他の方法もチャレンジしてみてください!

 

⑥めちゃめちゃ大袈裟なほど、うなずきジャスチャーを入れながら共感する!

 

介護士のジェスチャー

 

認知症の利用者さんで意思疎通がだいぶ困難になってきている人や、理解力の低下などの認知症中核症状が進行している方におすすめのが『ジャスチャーの効果』です!

 

男性利用者
男性利用者
『・・・・・』(立ち上がって廊下で立ち放尿してしまう男性利用者)

介護福祉士はるか
介護福祉士はるか
(ジャスチャーで立小便を表現)トイレはこちらですよ!

 

他にも…

  • 食べるジャスチャー(口を開けて右手は箸・左手はお茶碗で食べるしぐさ)
  • 寝るジェスチャー(重ねた両手をほほに寄せる)
  • お風呂のジャスチャー(カラダを洗う仕草)
  • その他

 

帰宅願望や不穏。興奮状態な時に使える有効なジャスチャーは?

 

帰宅願望や極度の興奮状態の時に有効なジャスチャーはやっぱりこれ!

 

めちゃめちゃ大袈裟なほど、うなずきジャスチャーを入れながら共感していると伝えること!

 

相手の眼を見てしっかりうなずき、首を大袈裟なほどしっかり縦に振りうなずくことで『この職員さんはちゃんと自分の話を聴いてくれているんだ』と感じてもらい【ホッとした安心】につながります。

 

⑦白衣(医者)を着て医者になりきる

 

白衣の効果

 

利用者さんを騙しているみたいですが、目的は【安心=こころの安定】です!

介護福祉士であれば相手のことを考え安心してもらうための【良い嘘トーク】は必須スキルです!!

 

お医者さんが着る白衣を職員が着ることで、かなりの説得力を増すことができます。

昔の人は【医者の発言】は大切だと大半の方は思っています。

 

  • 拒薬時(クスリ内服拒否)
  • 帰宅願望時(『もう少し入院していてください』など)
  • 排泄介助時(『クスリを塗りますから一緒にお手洗いに行きましょう!』など)

 

このように様々な場面で【白衣】は使えます。

 

男性利用者
男性利用者
先生がそう言うのならしょうがないか…

 

もちろん、職員の顔を覚えている方や『医者の言う事なんか聞かん!』という利用者さんには効果がありません!

でも、ほとんどの方に有効なのは経験上たしかです!

 

あと、会話の中で【偉い人】の話題などをすると、意外なほど説得力が増して話を聴いてくれたりしますよ。

  • 医者
  • 施設長
  • 国会議員
  • 市議会議員
  • 市長
  • 町長
  • その他

 

⑧ご家族に利用者さんの様子を見に来てもらって介護士・ケアマネと一緒に対応を考える!

 

家族の介護

 

ある意味最終手段なのですが、面会の目的は【利用者さんに会って落ち着いてもらうのではなく、利用者さんの様子(帰宅願望・不穏)を見に来てもらう】の方が正しいです。

ご家族が来れば『家に帰れる』と思ってしまうので、遠くから様子を見に来てもらい最悪の場合は会って話をしてもらうこともあります。

 

施設での様子をご家族に見に来てもらうことは、とても大きな解決策です。

その理由は・・・

 

  1. 家族からの対応アドバイスなどが何かしらある
  2. 何が不安なのかを家族と共有することで解決策を見出せる
  3. 家族に施設での生活状況を把握してもらえる

 

短期入所(ショートステイ)なのか本入所なのかによって違いますが、面会で家族の人に現状を知ってもらうメリットは大きいと僕は考えています。

転倒事故やその他の事故などが発生した場合でも、介護職側に対して最初から先入観を持たず『現状を知ってくれている』からこその信頼関係を築くことができます。

 

わかりやすい表現で言うと・・・

ご家族を巻き込んで、一緒に解決していきましょう!

ということです!

 

この対応はその場ですぐ解決する問題ではなく少し時間がかかりますが、長期的に見て一番効果があると言えます。ぜひいろいろ試してみてください。

 

⑨介護職員みんなの対応(声掛け)を統一する

 

介護職員

 

タイトル通り、『その日働いている介護職員全員の対応(声掛け)を統一する』は超おススメの認知症のかたへの対応策です。

 

あなただったらこんな対応されたらどう感じますか?

介護福祉士しんたろう
介護福祉士しんたろう
今日は帰れませんよ!泊まってくださいね。

介護福祉士あすかさん
介護福祉士あすかさん
今日はおうちの方いらっしゃらないんでお部屋で寝ましょうね!

介護士ふみこさん
介護士ふみこさん
ご主人、お仕事で遅くなるって電話あったから明日帰りましょ!

 

このように『今日は泊まっていってください』で内容は統一されていても、言ってる具体的な内容がそれぞれの職員で違ければ認知症の人でなくても戸惑ってしまうと思いませんか?

 

なので、上司に相談したりスタッフ会議、連絡ノートなどで発案したりして『声掛け対応(内容)の統一』を意識していきましょう!

この声掛け内容統一により、利用者さんが『職員さんみんなが同じこと言ってるからそうなのかも…』など不安ながらも『安心』してくれるようになります。

 

⑩【最重要】相手の眼を見て対応する

 

今までいろんな介護職員さんの対応を見てきたけど、自分を含めて【利用者さんの眼を見て声掛け】してないことが多かったです。

どうしても忙しすぎたりやる事が多すぎると、空返事で眼を見ず対応してしまうことがあります。

いけないんですが正直今でも時々やってしまいます…

 

 

こんな『眼』をして自分が見られたら…?

僕なら心がぎゅーと締め付けられるほど『イヤな気持になるしつらい…』です。

 

▼逆にこんな表情だったらどうでしょう。

 

 

絶対ホッとしますよね?

いつもこんなステキな笑顔はできないですけど、『笑顔の効果』はとんでもないほどの効果をもたらします。

 

介護職に響く名言

笑ってあげなさい。笑いたくなくてもわらうのよ。笑顔が人間には必要なの。

マザーテレサ

 

いつも笑顔で仕事できない時もあるけど、この言葉だけは心の奥にちゃんと置いておきたいと思っています。

 

▼下記のリンクはNHKのドキュメンタリー番組にあった『ユマニチュード』を説明しているページです。参考にしてみてください。

【動画でわかる認知症】認知症のケア「ユマニチュード」とは?認知症の人が安心できる接し方のポイント

 

 

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介護転職エージェントへの不安と注意点!カモにされない利用方法とは? この記事ではこんな疑問に答えます。 介護系の転職エージェントに対してこのような『不信感』や『不安』...

 

 

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ABOUT ME
KAIGO-JIN
介護経験13年目の介護福祉士JINです。 所有資格:介護福祉士・介護支援専門員・認知症介護実践者研修修了者。特養勤務のチームリーダー。今までの経験で学んだことや伝えたいことを個人ブログらしく自由に書いてます。詳しい自己紹介はこちら! プロフィール

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